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ズバリ!めっきの方法!!

大きな分類、湿式めっきと乾式めっき

めっき技術はその工程によって大きく、「湿式めっき」「乾式めっき」に分けられます。それぞれの技術には独自のメリットがあり、使用される素材や目的によって適切な方法が選択されます。

「湿式めっき」は、電解反応または化学反応を使用して金属を基材表面に析出させる技術です。また、名前にもある通り、液体の中で電解反応や化学反応を行うのが特徴です。電気めっき、無電解めっきが、あてはまります。

「乾式めっき」は、真空中やガス中で金属を堆積させる技術です。こちらは液体を用いずに、物理的、科学的な方法でめっきをかけます。溶融めっき、PVD(物理蒸着)、CVD(化学蒸着)が、あてはまります。

次に、各めっきの方法を見ていきましょう!

電気めっき

まずは、湿式めっきから見ていきましょう。

電気めっきは、最も広く利用されているめっき方法で、めっき液に金属イオンを含んだ溶液を使用し、電気を流すことによって基材表面に金属膜を形成します。金属イオンが電流の影響を受けて基材表面に還元されることで、金属が析出します。これにより、均一で高精度なめっきが可能です。主に装飾、耐食性向上、導電性向上などを目的に使用されます。

無電解めっき

無電解めっきは、電気を使用せずに化学反応を利用して金属を基材表面に析出させる技術です。無電解ニッケルめっきはその代表的な例であり、均一で高耐食性を持つ膜を形成するため、特に電子機器や航空機部品などに広く使用されています。

溶融めっき

ここからは、乾式めっきについてみていきましょう。

溶融めっきは、金属を溶かして基材をその溶融金属に浸漬することでめっきを行う技術です。亜鉛めっきやアルミニウムめっきがこの方法に該当します。この方法は、金属表面に強固な膜を作り、特に耐食性を高めるために使用されます。

PVD(物理蒸着)

PVD(Physical Vapor Deposition)は、金属を高温で蒸発させ、その蒸気を真空中で基材表面に凝縮させる技術です。PVDは、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの手法があり、比較的低温(200~600℃)で処理が可能なため、素材への熱影響が少ないのが特徴です。この方法で得られる膜は、非常に硬く、耐摩耗性や耐熱性に優れているため、機械部品や工具に広く使用されています。

CVD(化学蒸着)

CVD(Chemical Vapor Deposition)は、ガス中で化学反応を起こし、基材表面に金属を析出させる方法です。半導体産業で広く利用され、非常に均一で高品質な薄膜を得ることができます。CVDには、熱を利用する「熱CVD」や、プラズマを用いる「プラズマCVD」などの種類があり、目的や材料に応じて使い分けられています 。

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